マクロビオティック 美肌レシピ

「見えぬけれどもあるんだよ、見えぬものでもあるんだよ。」(2025年1月)

これは、詩人 金子みすゞの有名な「星とたんぽぽ」という詩の一節です。夜だけでなく、見えないけれども、昼にも星は空にある ということをうたっています。私はこのフレーズを読むたびに、「目に見えるものだけが全てではない」と感じることの大切さを思います。

たとえば、「気」という考え方。私たちは普段から、「元気」「やる気」「気のせい」「気の抜けた」「殺気を感じた」など、「気」という言葉を何気なく使っています。血液のように目に見えるわけでもなく、空気のように成分を分析できるわけでもない。でも私たちは「気」という何かが身体をめぐり、精神に、時には肉体にも影響を与えるということを感覚としてわかっています。

伝統医学には、さらに具体的に、特定の臓器に影響を与える「気」や、特定の働きをする「気」などがあり、それらをコントロールすることによって心身の不調を癒すことができるという考え方もあります。

目に見えないけれども大切なものがある、ということを認識すると、自分の健康状態に責任を持つ、という認識がより強まります。見た目や、数値だけではわからない、自分の心や身体の「気」の流れ。それは自分にしか感じ取れないものです。気がスム ーズに循環しているか、滞っているか。自分の心と身体の声をしっかり聞くことができなければ、それを感じ取ることは難しいでしょう。

目には見えない、自分の「気」の状態を感じ取る。そのためには、自分の「センサー」を正常にしておきたいですね。人間という生き物にふさわしいもの、季節や場所といった自然の摂理にそったものを食べ、よく身体を動かし、深く呼吸をし、ときには自然の中に身をおいて、生き物としてのセンサーがちゃんと働くようにする。そうすることによって、心身の声をきけるようになり、自分の中にある「気」という目に見えないものの状態を知ることができるようになるのではと思います。

忙しい毎日、なかなか毎日実践するのは難しいですが、そういったことを意識するだけで、少しずつ、「自分の健康状態に自分で責任を持つ」という認識が強くなっていくのではないかと思います。

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