腎を冷やさないことが肝腎です(2024年1月)
「肝腎(かんじん)」という言葉があります。肝心、とも書きますが、もともとは「肝腎」という漢字だったそうです。かんじんかなめ、や、かんじんなことを忘れているなどという使われ方をしますが、大切・重要という意味の言葉ですね。
さて、今回は、その「腎」についてのお話です。腎といえば腎臓、ですが、東洋医学では、腎臓と膀胱の両方がペアで働いているその機能のことを「腎」と呼んでいます。このふたつの臓器の機能 といえば、腎臓で尿をつくり、膀胱がそれを溜める・・・というのはみなさんご存知だと思いますが、東洋医学では、それ以外にもいろいろと重要な働きをしているという見方をしています。
その中のひとつが、「睡眠」です。腎が弱ると、眠れない・夜中に何度も目が覚める・中途覚醒 してしまう・・・といった睡眠障害が起きやすくなります。また、腎は耳とつながっている(こう いうところが東洋医学の面白いところです!)ので、難聴やめまいなどの耳・三半規管のトラブルも起きやすくなります。最近非常に増えている突発性難聴なども、腎の弱りが一因のこともあるようです。
そして、東洋医学では、それぞれの臓器と特定の感情が関連しているという考え方をしますが (これも面白いですよね!)腎と関連しているのは「勇気/恐怖心」です。腎が健やかであれば、勇気を持つことができる。不調だと、恐怖心が芽生える。いろいろなことに対して異常に恐怖心を持ってしまうという精神状態になった場合、腎のトラブルを疑ってみることも必要かもしれません。
腎は、冬に疲れやすくトラブルを起こしやすい臓器。冷えが大敵です。物理的に冷やさないこと、甘いものや冷たいものと摂りすぎないこと、を心がけましょう。切り干し大根などの干し野菜、ごぼうや人参といった根菜、小豆なども腎を労る食材です。上記のような睡眠障害や耳のトラブル、膀胱炎などの兆しがあるときには、小豆と切り干し大根を煮出したスープもおすすめです。腰や背中をしっかり温めることも忘れずに!
小豆と切り干し大根のスープ
【材料】(約4人分)
- あずき 1/4カップ
- 昆布 3センチ角2枚
- 水 4カップ(切り干し大根戻し汁含む)
- 切り干し大根 10g
- 玉ねぎ 小1/2個
- 人参 小1/2本
- キャベツの葉 2枚
- 生姜 ひとかけ
- 塩・醤油 適量
【作り方】
- 1. 切り干し大根は戻して絞り1cmほどの長さに切る。戻し汁は小豆を煮るときに使う。
- 2. 小豆は昆布と水(切り干し大根の戻し汁含む)と一緒に火にかけ、沸騰したら1の切り干し大根を加え、ふたをして、再沸騰したら小豆が柔らかくなるまで煮る。
- 3. 野菜は5mm角くらいのさいの目に切る。2の鍋に加え、ふたをして火にかけ、沸騰したら弱火にして野菜が柔らかくなるまで煮る。塩と醤油少々で味付けし、少し煮込む。最後に生姜の絞り汁を加える。
根菜のグラタン
【材料】(約4人分)
- かぼちゃ、かぶ、ニンジンなどの根菜 200g
- ペンネ、マカロニなど 60g
- 白ねりごま 大さじ1
- 豆乳 大さじ2
- 味噌 小さじ1
- 塩 小さじ1/4
- パン粉 1/4カップ
- あればドライハーブ少々
- 【豆腐ソース】木綿豆腐2/3丁、味噌大さじ2、梅酢大さじ1/2、レモン汁小さじ2、オリーブオ イル小さじ1、塩小さじ1/4
【作り方】
- 1.【豆腐ソース】木綿豆腐はしっかり水切りしておき、他の材料とともにフードプロセッサーにかけてクリーム状にする。塩は味を見ながら少しずつ加えること。
- 2. 野菜は一口大に切って、蒸しておく。ペンネ(マカロニ)は、海水程度の濃さになるように塩を入れたお湯で、やや硬めにゆがく。
- 3. 白ねりごまに、豆乳、味噌、塩を入れてよく混ぜておき、2の蒸し野菜とペンネをあえる。
- 4. 耐熱皿に薄くオリーブオイル(分量外)を塗り、3を入れ、1の豆腐ソースを上にのせてならし、パン粉(あればドライハーブを混ぜる)をふって、220度のオーブンで約10分~15分、きれいな焼き色がつくまで焼く。