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灯をともそう(2023年6月)

日本の中でも、海外でも、最近は暗いニュースを多く目にします。テレビやインターネッ トは、視聴率やベージビューを稼ぐためにショッキングな映像や話題を繰り返し取り上げています。私の自宅にはテレビを置いていないのですが、スマートフォンの画面に次々と現れるニュースなどをつい目にしてしまい、気がつくと気持ちが沈み込んでいることが時々あります。

そんなときに思い出すのが、作家の田口ランディさんが自分の娘さんに言ったという「暗いことが起きたら、あなたが灯をともしなさい」という言葉です。
テレビ画面やスマホの向こうの悲惨なニュースに心を抉られてしまい、その感情を深追いしてしまうと、「世の中は悲しいことばかり」「日本の(人類の)将来は暗い」といった無力感に苛まれたり、自分の人生まで悲観するようになりかねません。

田口ランディさんは、そうやってテレビやネットから押し寄せてくる暗い波に同調してしまうのではなく、少しでも周りの人の気持ちが明るくなるようなことをしよう、と呼びかけているのだと私は思いました。たとえば、誰かに笑顔で挨拶するとか、コンビニの店員さんやバスの運転手さんにありがとうと言うとか、誰かとぶつかりそうになったときにニッコリして謝るとか、相手が嬉しくなったりほっとしてくれたりするような、そんな小さなことでいいから、自分ができることで少しでも周囲が明るくなればいい。そして、そうやって周りを照らす小さな灯をともすことによって、自分の気持ちも明るくなる。 とても素敵な考え方だと思います。

もちろん、世界や日本で起きているいろいろなことを知ることは大切だし、時には辛くても現実を見つめる必要がある場合もあります。しかし、必要以上に感情移入しネガティブな気持ちに支配されてしまうのは心にはもちろん、身体にも悪影響を与えます。

暗いニュースに絶望しそうになったら、カーテンと窓を開けて風を入れ、ドアを開けて外に出て、出会う人たちに笑顔で接してみましょう。ありがとう、と言ってみましょう。あなたの笑顔や言葉が、さっきまで沈んだ気持ちでいた人の心に、きっと小さな灯をともすことになると思います。

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