免疫力を上げる〜本当の腸活とは(2023年1月)
パンデミックの影響もあり、「免疫力を上げる」という言葉を以前よりいっそう頻繁に聞くようになりました。また、「免疫力を上げるには腸の健康が大切」ということが広く知られるようになってきました。
ご存知のように、腸内には善玉菌・悪玉菌そして日和見菌が存在しています。全体の菌の総数はほぼ一定、つまり善玉菌が増えれば悪玉菌が減り、悪玉菌が増えると善玉菌が減ってしまいます。また、日和見菌は、ふだんはおとなしいけれども悪玉菌が優勢になると悪さをしてしまう菌で全体の7割を占めています。「腸活」というキーワードのもと、善玉菌を増やすことを目的としたビフィズス菌などのサプリやヨーグルト、ドリンクなどがたくさん売られていますが、市場に出ている製品に含まれている「ビフィズス菌」の多くが実は腸まで届かないという学者もいます。
どうすれば善玉菌が確実に増えるのか。それには、悪玉菌を増やしてしまう食品を控えること、悪玉菌の発生が起きにくい環境をつくることが大切です。悪玉菌は、動物性食品の過剰摂取によって増えることがわかっています。また腸の内容物が長時間停滞することによっても増えます(精白された粉類のとりすぎも腸内の停滞を起こすとも言われています)。動物性食品を控え目にし、全粒穀物や野菜・海藻・豆といった食物繊維(スムーズな排泄を促し腸をきれいにする)を多く含むマクロビオティックの食事は、腸をきれいにするには最適な食事だといえるでしょう。
ヨーグルトやサプリメントを「プラス」することに視点をおいた腸活ではなく、動物性食品や精白された粉類を「マイナス」し、腸内の余分なものを早く外に「出す」ことを考える。何を摂ったらよいかという発想になりがちな「腸活」を、減らす・出すという視点で見直してみましょう。
また、悪玉菌は、上記の原因にほかにも、精神的なストレスや睡眠不足といったライフスタイルによっても増加します。悪玉菌を増やす動物性食品を控える・腸の停滞を解消する玄米菜食を中心にすると共に、適度な運動をし、呼吸法・簡単な瞑想などで精神的ストレスを軽減する工夫もぜひ、してみてください。
根菜の塩麹グリル
【材料】
- 人参、かぼちゃ、かぶなどの根菜 約200g
- 塩麹、オリーブオイル 各小さじ2
【作り方】
- 1.根菜は食べやすい大きさに切る。蒸気の上がった蒸し器で固めに蒸す(かぶは2分、かぼちゃ・人参は5分ほど)
- 2.塩麹とオリーブオイルはあらかじめよく混ぜておく。
- 3.2を1の蒸し上がった根菜にすりこんで、耐熱皿に並べ、180℃のオーブンで10分、200℃に上げて5分〜焼く。
里芋の竜田揚げ
【材料】(約4人分)
- 里芋 4個 約250−300g
- 醤油、みりん 各小さじ2
- しょうがのすりおろし、にんにくの すりおろし 各少々
- 片栗粉、揚げ油 各適量
【作り方】
- 1.里芋はよく洗って皮ごと竹串がすっと通るまで15〜20分ほど蒸す。
- 2.皮をむき、一口大に切る。ボウルに入れ、醤油、みりん、しょうが、にんにくを加えてなじませ、30分〜一晩おく。
- 3. 汁気を切って片栗粉をまぶして揚げる。里芋には火が通っているので長時間揚げなくても、美味しそうな色がつけばOK。