雑穀を楽しみながら、美肌を作る(2019年 3月)
「お腰に付けたきびだんご、ひとつ私にくださいな。」
「あげましょう、あげましょう。これから鬼の征伐に、ついて行くならあげましょう。」
このフレーズを知らない日本人はいないでしょう。桃太郎の鬼合戦に行く時の、犬、猿、雉との会話です。この歌を聴きながら、「きびだんごってどんな味かしら。」と思いませんでしたか?
あの頃滅多に売られていなかったきびもあわも、あちこちの自然食品やちょっとしたスーパーでもそろえられている昨今となりました。雑穀の非常に高い栄養価が見直されてきたのです。キヌアはNASAやWHOからも指摘され、予測される世界的な食糧難を救う食材として注目されています。どんな環境でも育つ強さもあります。
雑穀は、広義ではお米以外の穀物全体を指します。小麦、大麦、ハトムギから、大豆、小豆、インゲン豆や蕎麦も雑穀の部類に入れられます。きびやあわはイネ科雑穀、キヌアやアマランサスは類似雑穀です。きびでも、もちきび、たかきびなど複数種類あり、あわも同様です。他にもキヌア、アマランサス、マコモダケが実につけるワイルドライスなど多様で、それぞれに独特の味わいと特徴があります。
きびだんごは、もちきびから作られていますが、もちきびを柔らかく煮たものは香ばしくてもっちりとして、そのまま味付けをしなくても美味しくいただけます。夢のきびだんご。犬さんたちが欲しがったのも、うなづけます。
雑穀の魅力は、その高い栄養価(ミネラルやビタミン)、食物繊維、グルテンフリー、そしてマクロビオティックや陰陽五行でも重宝されるほどに優れた陰陽のバランスです。
紀元前1万年前から人に食されてきた雑穀は、少ない量で高質な栄養価を私たちに与え、そして陰陽のエネルギーも整えて来ました。そのDNAを私たちは引き継いでいます。お肌に良いのはもちろんで、雑穀はスーパーフードであり、美容食です。
ポイントは二つ。一つ目は雑穀は栄養価が高いぶんアクがあるのでよく洗うこと。もう一つは“ほどほどに“。素晴らしい食材ですが、こればかりに偏るのではなく、サラダや煮物に加えるなど、上手に使っていきましょう。少しずつ継続的にいただくことで、いつの間にかより健やかな心身とお肌を作ります。美肌づくりとはそういうものです。
(レシピ・文章:松田)
キヌアのサラダ
【材料】3〜4人分
- キヌア 200g
- 香菜(パクチー) 一把
- くるみなどのナッツ 適量
- その他好みの野菜 適量
- お好みで豆腐チーズ 適量
- オリーブオイル 大さじ1〜2 適量
- レモン 半分程度
- お酢 適量
- 塩 適量
- 胡椒 少量
【作り方】
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1.キヌアを炊く。目の細かいざるを使い、3〜5回以上水にさらす。キヌアの2倍の水と塩大きめのひとつまみ(小さじ1/2弱)を入れて沸騰したら蓋をして15分弱火で炊き、その後10分ほど蒸らす。フォークで軽くほぐし熱を冷ます。このキヌアは多めに炊いて、冷凍しておくこともできる。
- 2.具材は冷蔵庫にあるもの、季節に合うもの、好みのもので良い。細かく砕かれたクルミなどのナッツがあれば、それを加えても良いし(軽くローストすると香りが良い)、豆腐チーズを入れても良い。もちろん本物のチーズを加えても良い。おすすめはパクチーで、パクチーの香りとキヌアがとても合う。そのほかに、春なら菜の花、山菜、アボカド、照り焼きにしたテンペ、とうもろこし、パプリカ、煮物や炒め物など惣菜の残りなど。
- 3.オリーブオイル、レモン汁、足りない塩分などをお塩、お酢、胡椒で整える。
豆腐チーズ
【材料】お豆腐一丁分
- 木綿豆腐 一丁
- 味噌 30g
- 水 適量
【作り方】
- 1.木綿豆腐を水抜きする。
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2.適量の水で溶いた味噌を全体につけて、ラップに包み1日おく。1週間程度もつ。塩分が強くなってきたら、味噌を取り除く。その味噌は煮物などのお料理に使える。、豆乳マヨネーズ、酢、梅酢を加えてさらにする。
※水ではなく出し汁にしても良い。またお酒を加えても良い。洋風にオリーブオイルやハーブを加えても楽しめる。塩麹で作ることもできる。