昔のおせちは砂糖を使わなかった(2019年 2月)
今年もおせち料理を召し上がりましたか?
おせち料理を作る方は良くお分かりかと思いますが、大量のお砂糖を使うレシピがほとんどです。黒豆や栗きんとんだけでなく、伊達巻も甘みが強く、なます、煮しめなどにも砂糖を加えます。また販売されているおせち料理には大量の白砂糖が使われています。実は、昔はおせち料理にお砂糖は使われていませんでした。明治の頃、アメリカはじめ海外からの輸入が始まった時に、白砂糖が一気に流通したのです。それから和食の味は一変しました。
昔の和食は、穀物や根菜が本来持つ甘みを、掛け合わせや調理法で引き出したり、米麹で発酵させた甘酒や米飴、果実や柿の皮などで甘味を工夫したのです。昔の日本人は、それで旨味(=甘み)を楽しんで来ました。
白砂糖の大量摂取は、私たちの体内の血液はじめ組織を酸化・糖化させやすい性質を持ちます。さらに中毒性もあり、摂取がやめられない、しかも摂取量が増えていくという傾向もあります。健康はもちろん、お肌にはもちろんダイレクトな悪影響があります。
今回ご紹介する黒豆は、甘みを干しプラムと甘栗だけで作ったもの。そしてお砂糖の代わりに熟した柿を加えたなます。たくさんいただいても安心な美容・健康食です。陰陽五行では「金(秋〜初冬)」に適した黒豆、「水(冬)」に適した栗は、肺から大腸、腎臓などをケアすると同時に、黒豆は女性らしさをサポートしていく食材であり、栗は腎臓の働きを助け滋養のある食材です。お砂糖を使わない黒豆のお料理は、女性にとても優しいものとなります。
そしてなますの大根と人参のコンビは、体の奥に溜まっている不要で良くない油を少しずつはがすように取り除いていきます。
お砂糖を使わないおせち、ぜひ皆さまにも慣れ親しんでいただきたいと思います。
(レシピ・文章:松田)
黒豆(甘栗と干しプルーン入り)
【材料】3〜4人分
- 黒豆 200g
- 甘栗 お好みの量 50〜100g程度
- 干しプルーン 無添加のものお好みで100g程度
- だし昆布 適量
- お塩 ひとつまみ
【作り方】
- 1.黒豆を優しく洗い、十分にかぶるくらいの水とだし昆布を入れて一晩おいて水を含ませる。
- 2.水をそのまま使い煮立ててアクを取る。
- 3.塩ひとつまみとびっくり水約100〜200ccを加える(全体の水分量を調整)。圧力鍋で圧がかかってから15〜20分弱火で煮る。
- 4.火を止め圧が抜けてから蓋を開け、甘栗とプルーンを加えて20分程度弱火で煮る。焦げ付かないよう注意。水分量は好みで仕上げる。
なます
【材料】3〜4人分
- 大根 適量
- 人参 お好みで大根の1/6〜1/3
- 熟した柿(干し柿でも良い) 適量
- ゆず 1個
- 酢、塩 適量
【作り方】
- 1.大根と人参をそれぞれ細い千切りにする。スライサーを使っても良い。それぞれ別にして、軽く塩を振って、上から空気を入れないようにラップをかけて数時間置く。
- 2.1をよく絞り、柿の細切り、柚子の果汁、お好みの量の酢と塩を加えて、くり抜いたゆずの皮に和える。