春はデトックスに最適な季節(2017年4月)
春はタネが芽を出し、木々は新芽をふきます。夏は葉が大いに茂り、花もいちばんたくさん咲く季節です。そして秋は実りの季節。果実やタネができます。そして、冬は、枯れてしまったようにみえても、根っこや、タネの中に、来たる春にそなえてエネルギーがしっかり蓄えられています。このように、植物界では四季折々の変化がとてもはっきり見てとれますが、実は私たち人間の体にも季節ごとの変化が起こっているのです。
では、春には私たちの身体にどのような変化が起きるのでしょうか? ひとことでいうと、「排出(デトックス)」です。冬の間は、あまり動かないので、血液や体液の循環が不活発になりがちです。さらには、脂っこいものや塩気の多いものを寒い時期には美味しく感じるので、そうした食物を多く摂りがちになり、その結果、冬の間、身体には老廃物が溜まりやすくなるのです。そして、春になると、細胞や内臓が伸びやかに活動を始め、血液・体液の循環がよくなり、溜まったものを「出そう」という動きが活発になります。その結果、春は1年で最大の「デトックス」の季節になるのです。
その働きを妨げないように、春は1年のうちでいちばん、動物性食品や油を控え、また塩気もやや控えめにすることをお勧めします。山菜や筍など春ならではの食材や、さっとゆでたり蒸したりした青菜などを多めに食べて、デトックス効果を促しましょう。麦や、短時間発酵の食品(甘酒、テンペ、浅漬けなど)もお勧めです。
また、デトックスの役割を最も多く担う臓器のひとつが、肝臓。春は肝臓が大活躍です。肝臓を疲れさせないためにも、肝臓が苦手なもの(動物性食品・油の摂りすぎ、アルコールの摂りすぎ)を控え、肝臓を適度に刺激し解毒作用を促す「自然な酸味」(酢、柑橘類)を適度に味付けに加えて労わりましょう。
今回お話しした「季節ごとの食材の選択」は、マクロビオティックの陰陽五行という理論に基づいたものです。陰陽五行の理論と調理を学んでみたい方は、ぜひ、Whole Foods Studio(wholefoods@e01.itscom.net)天野までご連絡ください。
麦のスープ
【材料】約2人分
- 押し麦、もち麦など 1/4カップ
- 昆布 3cm角1枚
- 干し椎茸 1個
- 水 400cc 各適量
- 玉ねぎ 1/4個
- キャベツ、人参など季節の野菜 100g
- 白味噌 小さじ1
- 塩小さじ 1/2〜
【作り方】
- 1.昆布、干し椎茸を分量の水に1時間以上つけておく。
- 2.野菜は1センチ角くらいのさいの目に切る。
- 3.鍋に、洗った麦と1.の昆布椎茸だし(昆布と椎茸も細切りにして一緒に加える)を入れ、火にかけて沸騰したらふたをして弱火にし、柔らかくなるまで煮る。
- 4.野菜を加え、火が通るまで煮る。白味噌と塩で濃くなりすぎない程度に味付けする。
菜の花の酢味噌あえ
【材料】約2人分
- 菜の花 100g
- 白味噌 小さじ2
- 米酢 小さじ2
- 昆布椎茸だし汁 大さじ1
【作り方】
- 1.菜の花は長ければ食べやすい長さに切る。
- 2.なべにお湯と塩ひとつまみ(分量外)を沸騰させ、菜の花をさっとゆでる。
- 3.白味噌、米酢、だし汁を合わせ、ゆでた菜の花をあえる。