日本の自然派化粧品の歴史と、現代オーガニックコスメの選び方

オーガニックコスメが溢れる昨今。
そもそもオーガニックコスメって何?何がそんなにいいの?という意見もあるかもしれません。
そこで今回は、日本のオーガニックコスメの歴史から、今私たちは、どんなオーガニックコスメを選ぶべきか?を考察していきます。
目次
日本における自然派化粧品のルーツ

日本には古来より、自然の恵みを活かした自然派化粧品・薬品の文化が根付いていました。現代のオーガニックコスメの源流とも言えるこれらの知恵は、今なお受け継がれています。現代でもその知恵が、有名な外資系化粧品会社のスキンケアアイテムに採用されていたりします。
実際にみなさんにも馴染み深いであろう以下の3つの点から、日本のオーガニックコスメの源流を垣間見てみましょう。
🌿 和漢植物・薬草の利用(漢方的スキンケア)
日本では古くから、紫根(しこん)や、よもぎ、はと麦、ドクダミなど、薬草として知られる植物が、肌トラブルの予防や美容の目的で用いられてきました。
・紫根:抗炎症・美白効果があるとされ、紫根油や紫雲膏として使用
・ドクダミ:化粧水や湿布に使われ、ニキビや肌荒れに効くとされる
→これらは「塗る薬」という意味だけではなく、生活に溶け込んだ美容法として使われた点が特徴です。
筆者も子供のころ、独特な香りのする紫雲膏を、すり傷や、やけどあとなどに塗られていました。
今思い返すとあれは、生活の知恵のひとつだったのだなと理解できます。
🌾 米ぬか・おしろいなどの穀物由来成分
江戸時代には、米ぬかを入れた布袋で顔や体を洗う「ぬか袋」が、天然のスクラブ・美白パックとして使われていました。また、「おしろい(白粉)」は、美白の象徴である白肌をつくるための重要なアイテムで、当初は米粉や鉱物成分を原料にしていました。
現代でも、「ぬか袋」を購入することが出来る京都の舞妓さんの絵柄で人気のメーカーさんがあります。古くからの根強い人気と確かな効果があるのでしょうね。
そして米ぬかといえば、どうしても考えてしまうのが糠床。ぬか漬けにはなくてはならないものです。これは次の3、の自然発酵の活用にも繋がりますが、皮膚だけではなく、身体の中から整える手助けもしてくれる糠床は、古くからの美容アイテムと言えますね!
🍶 自然発酵の活用(酒粕・米麹など)
蔵人の手が美しいことから、酒粕や米麹に含まれる発酵成分が肌に良いとされ、保湿・美白のための自然派スキンケア素材として古来から使われてきました。世界中で人気のあのメーカーさんもこの自然発酵技術を採り入れていますよね。
このように3つの要素を見てきましたが、こうした日本古来の自然素材は、現代のナチュラル志向の化粧品やオーガニックコスメにも応用されており、和漢植物や和ハーブを活かした化粧品として注目されています。自然と共生してきた日本人の知恵が、現代にも息づいていると言えます。
国産のオーガニックコスメブランド、ブルークレールオーガニクスでは日本人の肌質により合うような成分構成を考え、自社独自に抽出した和漢エキスなどを使用した商品づくりをしています。

参考リンク:
▶︎ブルークレールオーガニクス 誕生のきっかけ 〜オーガニックで無添加、日本人に会う化粧品を〜
▶︎陰陽五行、「バランス」を取り入れたブルクレ
▶︎紫根のバーム:ローズオーガニックヘアワックス〜新しい風に乗って
日本のオーガニックコスメ黎明期

表面化した社会問題から自然派支持への流れ
日本におけるオーガニックコスメの歴史は、1970年代後半の「自然志向」の高まりから、より大きなうねりを生み出しました。
高度経済成長が一段落し、環境汚染や健康被害が社会問題化したことで、「肌にも自然にもやさしい化粧品」へのニーズが徐々に高まりました。当時はまだ「オーガニック」という言葉は一般的ではなく、自然派化粧品・無添加化粧品として一部の層に支持される存在でした。化粧品だけではなく、世の中の「食」に対する意識が変わってきたのもこの時期と言えるでしょう
旧表示指定成分問題と成分重視〜オーガニックコスメ認知の時代へ
その後、1980年代に入ると、敏感肌の人々を中心に化学成分を極力使わない化粧品への注目が高まります。特に「旧表示指定成分(アレルギーを引き起こす可能性がある成分)」が話題となったことをきっかけに、成分表示を重視するユーザーが増えました。この流れが、現在のオーガニックコスメの基礎を築いたといえるでしょう。
1990年代には、海外からの影響もあり、オーガニック志向の消費者が拡大しました。特にドイツやフランスのナチュラルコスメブランドが日本に上陸し、日本でも「オーガニックコスメ」という言葉が少しずつ浸透。こうして、日本独自の自然派なコスメカルチャーが根付き始めたのです。
現代の多種オーガニックコスメブランドと問題

2000年代に入ると、日本国内でも国産オーガニックコスメブランドが続々と誕生しました。植物エキスや漢方、和のハーブを使った製品が注目され、「日本人の肌に合うオーガニックコスメ」として市場に受け入れられていきました。さらに、ナチュラル志向のライフスタイル人気、雑誌やブログ、SNSの影響もあり、若年層などにも人気が拡大していきます。
一方で、オーガニックコスメの市場拡大に伴い、「オーガニック」の定義があいまいであるという課題が浮上しました。
実際には有機原料を一部しか使用していない製品でも「オーガニック化粧品」として販売されていることが多くあります。
そのため、販売するメーカーが商品に使用されている原材料などの情報開示をきちんとおこなっているか、その大切さも見直されることになったのです。
参考リンク:
▶︎オーガニック認証の“本当”とは?化粧品メーカーが語る、業界のリアル
▶︎コスメ選びの鍵は全成分表示だった!知っておきたい4つのルール
「で、オーガニックコスメは何がいい?」その選び方
サステイナブル時代のオーガニックコスメ

現代では、成分の安全性だけでなく、企業の環境への対応や姿勢にも消費者は敏感になっていますよね。もちろん化粧品業界でも「サステナブル」「エシカル」「クリーンビューティー」などにこだわりを持つこと、環境配慮型の容器・フェアトレード原料の採用が当たり前になりつつあります。
また、オーガニック=肌にやさしいというだけでなく、年齢肌・エイジングケアにも対応する高機能オーガニックコスメへのニーズも高まっており、それらの希望を叶えてくれるような高機能オーガニックコスメも開発されています。これにより、40代以上の大人世代や男性の利用者も増加傾向にあります。
そして消費者は、それらを含めた商品情報の開示、メーカーの想いに共感し、選択し、オーガニックコスメ市場を盛り上げているように感じます。
・安全性が確認された成分のみを使用し、その情報を開示している。
・サステイナブル、高機能オーガニックコスメへのニーズに配慮した製品開発をおこなっている。
そんなメーカーのアイテムこそ、「オーガニックコスメ、何がいい?」の答えになるのではないでしょうか。
〜私たち、ブルークレールオーガニクスは、サステイナブル&エシカルなコスメブランドであることを重要視しています。〜
参考リンク:
▶︎何年かかっても戻ってくる価値〜ブルークレールオーガニクス・私たちの存在意義
▶︎肌に優しい美容法とは? 20年後もっと好きな肌を育むために今できること
地域ならではのオーガニックコスメも
さらに、近年では国内原料の見直しや、地域密着型の製品開発も進んでおり、「日本ならではのオーガニックコスメ」の価値も再評価されています。観光地などのお土産売り場で、その地域独自の成分などが使用された、こだわりのコスメが売られていることも近年珍しくなくなりましたよね。
今後は地産地消×サステナブル×テクノロジーという視点から、オーガニックコスメを手に取る機会が増えていくかもしれませんね。
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