夏の不調を乗り切る!食欲不振・冷えに負けない体づくり

夏の海の女性

夏になると、「なんとなくだるい」「食欲が出ない」「夜なかなか眠れない」といった不調を感じることはありませんか?特に最近は、猛暑や熱帯夜が続く日も多く、体力や気力を消耗しやすい季節です。

そんなときに役立つのが、漢方の考え方を取り入れた薬膳です。季節の変化に合わせることにより、夏の不調を未然に防ぐことができます。今回は、夏の時期に起こりやすい不調の原因と、それを改善するための食事や過ごし方についてご紹介します。

夏は「心」(しん)と「脾」(ひ)に負担がかかる季節

漢方では、自然界のリズムと人の体は密接に関わっていると考えます。
特に五臓六腑のうち、夏に影響を受けやすいのは「心」と「脾」です。

「心」

血液を全身に巡らせる働きと同時に、精神活動とも関係がある臓腑です。
夏は暑さにより汗をかきやすく、体内の水分とともに「気(エネルギー)」や「血(栄養)」が消耗されやすくなります。その結果、動悸や不眠、不安感、イライラなどの症状が出やすくなるのです。

「脾」

消化吸収を担当する臓腑で、食べたものからエネルギーを作り出す重要な役割を担っています。
しかし脾は「湿気」と「冷え」に弱いため、夏に冷たい飲み物や水分を摂りすぎると、働きが鈍くなり、胃もたれや食欲不振、むくみ、だるさといった症状が現れやすくなります。

だるさ・食欲不振に!薬膳で夏を乗り切る3つの方法

薬膳スープ


夏の不調に対して薬膳では、以下の3つの視点を大切にしています。

✔︎「清熱(熱を冷ます)」
✔︎「利湿(余分な湿気を排出する)」
✔︎「補気(気を補う)」

「清熱」

まず、「清熱」の代表的な食材には、きゅうり・トマト・すいかなどがあります。
これらは体の熱を冷まし、潤いを与える働きがあります。暑いときは、体を冷す食材を摂りましょう。ただし、食べすぎると体が冷えるので注意が必要です。

「利湿」

次に、「利湿」の代表的な食材には、とうもろこし・はとむぎ・冬瓜などがあります。
湿気の多いこの季節は、体の中に余分な水分がたまるとむくみやだるさにつながります。雨の日や湿気の多い日に体調が悪くなりやすい人は、これらの食材を摂り入れて、体内の水の巡りを整えましょう。できるだけ温めて食べることも大切です。

「補気(ほき)」

最後に、「補気(ほき)」として気を補うためには、山芋・かぼちゃ・鶏肉などを摂り入れるとよいでしょう。体に不足したエネルギーを補ってくれます。特に夏は、冷たいものの摂りすぎで脾の力が弱まりやすいため、消化によい温かいスープやお粥などで、胃腸の負担をやわらげてあげることが大切です。

冷房と汗に要注意! 夏の過ごし方のポイント

体調不良で横たわる若い女性


食事だけでなく、日々の過ごし方にも気を配ることで、体調管理がしやすくなります。
例えば、冷房による冷えは、夏でも体を内側から冷やしてしまい、自律神経の乱れや血行不良につながります。フィスや室内では、首・お腹・足首を冷やさないようにし、スカーフやカーディガンなどで冷たい風が肌に直接当たらないように工夫をしましょう。

また、汗をかいたらそのままにせず、早めに着替えて水分とミネラルを補給することも大切です。汗とともに気や血が失われると、疲労感やめまい、不眠の原因になることもあります。水分を摂るときは、一気にとるのではなく、少しずつこまめに摂るこが大切です。

さらに、日中はなるべく日差しを避け、こまめに休憩を取りながら過ごすことも大切です。夏は漢方で考える「陽」が極まる季節。動きすぎず、ほどよく「陰(休息)」の時間を確保することで、体と心のバランスが整いやすくなります。外に出るときは、帽子や日傘を活用し、なるべく直射日光を避けるようにしましょう。これはお肌のUVケアにとっても、とても大切なことですね。

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季節に寄り添って生きる、それが薬膳の基本

薬膳の基本は、「その季節に合った食材を使い、そのときの自分の体調に合わせて食べ方を工夫すること」です。特別な食材を使わなくても、身近な野菜や食材を上手に組み合わせるだけで問題ありません。

例えば、夏野菜のとうもろこしと冬瓜で作るスープといった季節の恵みを活かした家庭料理は、それだけで立派な「夏の薬膳」といえるでしょう。夏の不調が気になる方は試してみてください。

冬瓜ととうもろこしの薬膳スープ(2〜3人分)

■ 材料
冬瓜…200g
とうもろこし…1/2本
とうもろこしのひげ…少々
鶏むね肉…100g
しょうが(薄切り)…2〜3枚
水…500〜600ml
塩…小さじ1/3
酒…大さじ1
ごま油…少々


■ 作り方

  1. 鶏肉を食べやすい大きさに切り、熱湯でさっと下ゆでしておく。
  2. 鍋に水を入れ、しょうが・鶏肉・冬瓜・とうもろこし(ひげ)を加えて中火にかける。
  3. 沸騰したらアクを取り、弱火にして15〜20分ほど煮込む。冬瓜が透き通ってやわらかくなるまで煮込む。
  4. 塩と酒で味を整える。
  5. 器に盛り、ごま油を少し入れる。

現代の生活では、冷房やストレス、過労など、自然とはかけ離れた環境で暮らしていることも多いでしょう。健康を取り戻すためには、意識して「季節に寄り添う暮らし」をすることが、体調管理の第一歩になります。特に夏は、自然界の「陽」の気が最も高まる季節。そのぶん、私たちの体も外からの熱や湿気の影響を受けやすくなります。

今年の夏は、冷えと湿気に気をつけながら、心と体を整える食生活を意識してみませんか?漢方薬膳の視点を取り入れながら、健やかな夏を過ごしていきましょう。

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