老化三大要因その2「糖化」について

肌のターンオーバープロセス

前回に続いて、老化の三大要素「酸化、糖化、炎症」のうち、糖化について書きますね。

糖化とは、タンパク質や脂質が糖と結びつく反応です。糖化は特に高温状態、つまり料理や体内でも起こります。
そうして「AGEs」が形成されます。皆さんもAGEsは聞いたことありますよね。
最終糖化生成物(Advanced Glycation End Products)の略です。老化や慢性疾患に関与します。

◆料理で生まれやすいAGEs
こんがり焼けたパンや肉は、糖とタンパク質が結びついた糖化現象です。老化を引き起こしますが、香ばしくて食欲をそそる香りと風味を作ります。困ったものですね。AGEsは香ばしい香り。
前回も書きましたが、糖化でよくカラメルが例に出されますが、あちらは糖のみの高温酸化反応。
一方、糖化とはタンパク質と糖質の変質です。覚えておくと良いですね。

◆体内で生まれるAGEs
偏った食生活、抗ストレス状態、そして加齢や免疫力低下、体質などで高血糖状態が続くと、
体内で糖がタンパク質や脂質と結びつき、AGEsが生成されます。
AGEsはコラーゲンなどの組織に蓄積し、肌の弾力低下やシワ、たるみの原因となります。
また、AGEsがコラーゲンと結びつくことで、関節や血管の柔軟性が失われます。
血管が歳を取れば、私たちの外見も老化をします。血管と血液は若さの最も大切なカギの一つ。
健康的にはあらゆるリスクを引き起こします。動脈硬化、心血管疾患、糖尿病、腎臓病、神経変性疾患(アルツハイマー病やパーキンソン病など)と関連があると言われています。
これらの疾患は、AGEsが細胞や組織に与える損傷によって引き起こされると考えられています。

上記二つがAEGsのメカニズムを美容と健康の観点からまとめたもの。そして以下は体内での糖化のメカニズムです。
糖化が細胞レベルで老化に関わることがわかります。

<細胞への影響>
AGEsは細胞膜のタンパク質と結びつき、その機能を損なうことで、細胞内でのシグナル伝達に干渉し、正常な細胞機能を阻害することがわかっています。

<DNAへの影響>
AGEsはDNAに結合し、遺伝子の発現を変化させることがあります。これにより、細胞の修復機能や再生機能が低下します。

<タンパク質への影響>
肌のハリにはタンパク質が命です。AGEsは体内の重要なタンパク質と結合し、その構造と機能を変化させることがわかっています。これにより、コラーゲンの硬化や酸化が引き起こされます。

<炎症の誘発も>
AGEsは免疫細胞を攻撃、刺激して、慢性的な炎症反応を引き起こします。この炎症は、さらにAGEsの生成を促進するという悪循環を引き起こします。

つまり、三大老化現象の酸化、糖化と炎症は深く関わっているのです。

糖化を防ぐ食事の工夫としては、できるだけ高温の油を使う料理を減らすこと。
こんがり料理も、美味しいですから無くす必要はありませんのでほどほどにできると良いですね。
そして蒸したり煮る調理法を増やし、オイルは調理の最後の方に使ったりかけたりする工夫をお勧めします。
そして何よりも化学調味料、化学添加物を減らすこと。

栄養素としてはビタミンC、ビタミンE、コエンザイムQ10、カロテノイド、フラボノイドなどの抗酸化物質、そして食物繊維を摂るようにしましょう。
ここら辺は、偏りや食材の特徴はありますが、全体的に満遍なく良い食材を摂ると良いのです。

結論として、糖化は、私たちの健康と老化に大きな影響を与える現象です。食品の調理方法や食事の内容を見直し、抗酸化物質を摂取することで、糖化の影響を抑えることが可能です。日常生活での工夫とバランスの取れた食事が、健康維持と老化防止に役立ちます。