吉野敏明先生の四毒のうち、植物オイルについて

目次
野菜にオリーブオイルをかけるのはNGなの?
最近、迷っていることがあるのです。それは食べる油の摂り方についてです。
一体何が正しいのか。毎日の油の摂り方は、私たちの寿命にダイレクトに影響します。食習慣が蓄積されて、いずれ体に出てくることもありますし、オイルの摂取の仕方は短期的にも肌に現れやすいものです。
今回の話は食物としての植物油になります。顔へのオイルの使い方、選び方はまた別になりますから、それについては別の機会に書きたいと思います。
吉野敏明先生の「四毒」とマクロビオティック、陰陽五行
医師の吉野敏明先生が、最近参議院選挙に立候補されましたよね。素晴らしい信念のある演説をされ、今もYouTubeなどで啓蒙されています。先生は「四毒」を唱えていらっしゃいます。

四毒とは、小麦、植物オイル、砂糖、乳製品を避けましょう、ということです。これらの摂取をできるだけやめれば病気になりにくくなり、日本としては医療費も削減できるという、吉野先生の一貫したお話です。
それは、マクロビオティックと陰陽五行にも通じます。そして久司道夫先生(私が学んできたマクロビオティックスクールの学長)と吉野先生には通じるものがあります。見かけではなくその思想というか、さらに広い宇宙観というか、何かが。
吉野先生によると、精製された液体の植物油はどれも良くないとのこと。パーム油やオメガ6はもちろん、オリーブオイルもです。野菜にかけて食べるのはお勧めできないそうです。
新しいオイルの摂り方が、日本人に合うとは限らない?
オメガ9(オリーブオイルなど)とオメガ3(亜麻仁油など)を2:1程度の割合で摂るといいと言われています。私自身、野菜やお刺身にエクストラバージンのオリーブオイルやレモンをかけて、ハーブや海藻を添えるカルパッチョなどは、夕食の定番メニューのひとつです。
ですが吉野先生は、これも非常によくないという話です。
日本人と油の歴史的背景
要は、日本人は数百年どころか千年単位で、液体にした油を食することがなかったという史実があります。その長年の食習慣で形成された体質があり、江戸時代の江戸では、木造長屋の火事を減らすため、油を使った料理が禁止されていたといいます。きのみや豆、魚そのものから、日本人は油分を摂取してきました。
歴史的に日本人は液体の脂質を摂ることが少なく、昔は一日20g以下の脂質摂取(豆腐や豆なども含む)だったのが、今やその3倍以上になっているとのこと。
とても急激な変化ですよね。砂糖、牛乳、給食のパンなどの小麦粉の普及も加えて、戦後のGHQの政策あたりからの変化です。
改めて四毒について
まず、精製された砂糖、製造過程が不透明な牛乳などの乳製品、そして選ばない限り農薬や遺伝子組み換えが使われている可能性の高い安価な精製小麦粉。これらは、摂取量に気をつけた方が良いでしょう。実際に、甘いものやバター、パンが大好きで、元気で見かけも若い高齢の人は、私の周りでもちらほらいます。人の体質によりますが、自分はさほど特別ではないと自覚する場合は、思い切って極力減らしていませんか?
ですが、良質と言われるオメガ3と9の植物オイルはどうでしょう。なかなか断つことが難しいのです。それは美味しいからだけではなく、体の中の滑りを良くしてくれている実感もあるからです。
自分の体質を知り、情報を選択し取り入れること
例えば、エクストラバージンオリーブオイルはどうなのだろう?国産のえごま油は?このことを最近考え続けて、あちこちの文献を改めて読んでいます。
考えた結果、「尊敬できる人の話は拝聴しながら、自分の体質と声も大切にする。その考えをほどほどに取り入れて様子を見る」が良いかと思います。
例えば、液体の植物油の摂取を少し抑えるのです。代わりに、お豆腐や納豆などの大豆製品や魚を工夫してみるのです。「おそらく体にはより良いかもしれない。試してみよう」と納得できませんか?
お肌ツヤツヤの吉野先生
吉野敏明先生の、福々しく穏やかで知的な様子と、垣間見えるヤンチャな男の子のような表情を見ていて、真剣に話を取り入れていくことはとても価値のあることだと思います。大変多くの人を診てこられた方ですから。
お若い時は一番安い日本酒を毎日のように一升ほど飲まれていたそうです。今もいくら陽にあたってもシミができないそうです。体質肌質に相当恵まれた方なのではないか、との言葉が喉に出かかりますが、やはり食材も大きく影響しているのでしょうね。
【補足】オイルについて
ところで最後に、今まで当ブログでは何度も書いてきた、食用油の基本的な分類と脂肪酸の種類について、改めて分かりやすくご説明しますね。
食用としての油には、植物性油、魚の油、動物性油の3つに分けられます。 もしくは、オメガ3、6、9という化学的な構成によってもグループ分けできます。
不飽和脂肪酸と飽和脂肪酸
不飽和脂肪酸とは炭素(C)の連なる中に、何番目に二重結合があるかで区別されます。オメガ3は末端から3番目、オメガ6は6番目、オメガ9は9番目に最初の二重結合があります。
一方、飽和脂肪酸には二重結合がありません。炭素が必ず水素で覆われている状態です。この構造により、常温で固体になりやすい特徴があります。
飽和脂肪酸を多く含む油脂:
- バター、ラード(豚脂)、牛脂などの動物性脂肪
- ココナッツオイル、パーム油などの熱帯植物油
- 乳製品(チーズ、全脂肪乳など)
一価不飽和脂肪酸(オメガ9系)を多く含む油:
一個の二重結合を持つこれらの油は、酸化しにくく加熱調理に適しています。
- オリーブオイル(オレイン酸が豊富)
- アボカドオイル
- 菜種油(キャノーラ油)
- ナッツ類(アーモンド、カシューナッツなど)
多価不飽和脂肪酸を多く含む油:
複数の二重結合を持ち、体内で合成できない必須脂肪酸を含みます。
オメガ6系(リノール酸など):
- 大豆油、コーン油、ひまわり油
- ごま油、グレープシードオイル
- 一般的なサラダ油の主成分
オメガ3系(α-リノレン酸、EPA、DHAなど):
- 亜麻仁油(フラックスシードオイル)、えごま油
- 青魚(サバ、イワシ、サンマなど)の魚油
- くるみ
ところで、ブルークレールオーガニクスのオイルセラムとローズオイルには、新鮮なオメガ3、6、9の植物オイルを使用しています。例えばひまわり油にはオレイン酸を多く含む種類のものを抽出したものを使っています。なぜなら、オレイン酸を多く含むと酸化がしにくいからです。上述しましたが、食するオイルと肌につけるオイルの考え方はまた異なります。そのお話はまた改めて。
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