老化の三大要因その1「酸化」について
このブログでは今まで何度となく、老化のプロセス、メカニズムについて書いてきました。改めてその三大要因、酸化、糖化、炎症について書いていきたいと思います。今回は、「酸化」についてです。何度も繰り返し学び、認識する価値がありますよ。
酸化とは物質と酸素が結びつき、サビることです。
一方、糖化とはタンパク質と糖が結びつき、コゲつくことです。
むいたリンゴが空気に触れると茶色くなるのが酸化で、
こんがり焼けたパンや肉は糖化です。
糖化というと、砂糖を焦がしたカラメルが例に出されることがありますが、
正しくは糖化はタンパク質と糖質の変性でメイラード反応とも呼ばれ、
糖質オンリーで焦げ付くカラメル化とは区別されます。
この酸化と糖化、そして炎症が、老化の三大要因です。
強い日差しを浴びた肌では、一重項酸素という肌を錆びさせる活性酸素(ROS/Reactive Oxygen Species)が発生します。
実は活性酸素には、強い攻撃力という良いところがあり、体内の細菌などの外的マイナス要素と闘い、排除します。
活性酸素は過酸化水素(H2O2)として白血球に存在しています。
そして、その攻撃性が内側に向かってしまうと、老化を引き起こします。
酸素は通常、元素の周りに2個ペアx4セットで合計8個の電子を持っています。
そのペアのうち一つが欠けて不安定になったものが活性酸素です。
欠けた電子を補充しようと、周りの正常な分子から奪い取ろうとする、独自の攻撃性を発揮します。
そして連鎖的にこの奪い奪われ現象が広がるうちに、多くの細胞が傷つけられます。
それが病気や老化を引き起こします。
もちろん私たちのホメオスタシス機能(正常な状態に戻ろうとする本能)は、この現象に対抗する力を持っています。
例えば、SOD(スーパーオキシドジスムターゼ)やグルタチオンペルオキシダーゼという抗酸化酵素は、過酸化水素(H2O2)を分解します。
ですが酸化ストレスの方が強いと、間に合わないのです。
酸化での老化プロセスで発生する、ヒドロキシルラジカルと一重項酸素は最も避けたい敵と言えます。いずれも体内に発生してしまいます。
活性酸素は、以下の三つに分けられます:
• スーパーオキシドアニオン
• 過酸化水素
• ヒドロキシルラジカル
• 一重項酸素
この中でヒドロキシルラジカルが最も活性酸化力の強い、つまり老化させる力の強い物質です。その次は一重項酸素です。
ヒドロキシルラジカルは、過酸化水素が金属イオンと反応して生成されます。
SODが十分に働けば、この凶悪なヒドロキシルラジカルを酸素と水に分解します。
さらに上に挙げた抗酸化物質が過酸化水素を水と酸素に分解をします。ですが間に合わないことも多いのです。そして、実はヒドロキシルラジカルに効果的な物質があります。それは水素です。
また、ヒドロキシルラジカルの次に凶悪なものは一重項酸素と言えます。
一重項控訴は、紫外線や強い太陽光、放射線に当たると体内や肌で大量に発生し、タンパク質、脂質、DNAなどを傷つけます。シミ、シワの原因になります。一重項酸素に効果的な物質はカロテノイド、フラボノイド、ポリフェノール、コエンザイムQ10などになります。
私たちのできることは、できるだけ良い生活習慣を重ねて良い健康状態を作ること、
できるだけストレスを溜めないこと。そして食事では、ミネラルとタンパク質、植物繊維をはじめ、
バランスの取れた栄養を摂ることです。抗酸化力のある物質には他に、カタラーゼ、グルタチオン、
ビタミンA・C・E、コエンザイムQ10、ポリフェノール、カロテノイド、フラボノイドなどがあります。
野菜、果物、良質のタンパク質そして特に植物性発酵食品を摂れば、自然とこれらの栄養素は補給できます。
ぜひこれらを意識した食生活、ライフスタイルにしていきましょう。