肌老化を引き起こす酸化とは?体や心への影響も解説

老化を気にする女性


昨今話題になりつつある酸化という言葉、ご存知でしょうか。
酸化とは、食べ物で言うと、りんごの断面が茶色く変色していく状態がまさに酸化です。
実は人の体でも同じことが起こっているのです。

酸化による影響は、体はもちろん、肌や心にまで及びます。
酸化は生きている限り避けられない現象ですが、うまく付き合うことでその影響を少なくすることが可能です。

この記事では、まず酸化のメカニズムと私たちにもたらす影響について解説します。
正しい知識を身に付けて上手に対処していきましょう。

酸化だけじゃない!知っておきたい老化の三大要因

酸化と聞いて、老化の三大要因を思い浮かべた方もいるのではないでしょうか。
老化の三大要因とは、酸化・糖化・炎症のことを指します。

昨今では、「抗酸化」や「抗糖化」を謳う商品も多くみられるようになりましたよね。
自分に合った商品選びをするためにも、正しく理解しておくことが大切です。

それぞれのメカニズムを簡単に解説していきます。

老化の三大要因とは

老化の3大要因

〜酸化〜
まずは「酸化」について解説します。
酸化はわかりやすく言うと細胞が錆びることです。
私たちの体内では酸素の一部が活性酸素に変化します。
活性酸素は免疫機能を持ち重要な役割を担っている一方で、
ストレスや紫外線、喫煙などの影響で過剰に増えてしまうと、

細胞を傷つけてしまいます。
これが老化の要因となる酸化です。

〜糖化〜
次に「糖化」です。
糖化は細胞が焦げ付くことで、糖質の過剰摂取によって引き起こされます。
私たちの体内で余分になった糖質は、
タンパク質と結びつきAGEs(週末糖化物質)が作られ、
このAGEsがさまざまな老化現象を引き起こします。

また、AGEsはできてしまうと分解されづらいという厄介な特徴もあります。

〜炎症〜
最後は「炎症」です。
炎症は細胞が火事になることです。
老化を引き起こす炎症は、一次的な発熱や痛みのことではなく、
全身のあらゆるところで起こる慢性的な炎症を指し、
肥満やホルモンバランスの乱れ、ストレスなどが影響すると言われています。
一次的な炎症とは違い、自覚症状がないことが特徴で
知らず知らずのうちに内臓などの機能を低下させてしまいます。

加齢によって抗酸化能力は低下する

抗酸化とは、活性酸素が体内で増えすぎないように発生を抑制したり、できてしまった活性酸素を取り除く働きのことで、
人の体にはもともと抗酸化能力が備わっています。

体内で作られる抗酸化物質や酵素のおかげで、
活性酸素の量が調整されたり、生じてしまったダメージの修復がスムーズに行われたりしているのです。

しかし、この抗酸化能力は加齢とともに弱まることがわかっています。
つまり、年齢を重ねるにつれて私たちの体は活性酸素が増えたり溜まったりしやすい状態になってしまうのです。

酸化がもたらす影響とは

酸化したフルーツ

では、酸化するとどのような影響があるのでしょうか。
老化の三大要因の一つであることからもわかるように、酸化はさまざまなエイジング症状を引き起こします。
正しい対策をするためにもまずはその影響を知っておくことが大切です。ご自身の体や肌の状態と照らし合わせながら確認してみましょう。

肌への影響

まずは肌への影響です。
肌が酸化する主な要因は紫外線です。
紫外線による影響はシミだけだと思われがちですが、紫外線を浴びると大量の活性酸素が作られ、肌は酸化状態になります。
そして活性酸素は、肌のハリや弾力の要となるコラーゲンやエラスチンなどを傷つけ、ハリ感のなさやたるみを引き起こすのです。

また、皮脂と活性酸素は結びつきやすく、過酸化脂質に変化することでくすみやバリア機能の低下を引き起こします。
バリア機能が低下することで、乾燥などの肌トラブルにつながるだけでなく、紫外線ダメージを受けやすい状態になってしまい、
酸化の悪循環が生まれてしまいます。

このように、酸化は肌内部のさまざまな細胞にダメージを与えることがわかっており、エイジング諸症状につながってしまうのです。

体への影響

次に体への影響です。
体が酸化すると、体内のタンパク質や脂肪などの細胞にダメージを与え、肩こりや慢性疲労、高血圧などの老化現象につながってきます。

それだけでなく、がんや白血病、動脈硬化、糖尿病など血管やホルモンが関わる病気のリスクをも高めることがわかっています。

活性酸素は体内のあらゆる細胞にダメージを与え、さまざまな組織の機能低下を引き起こすため、
体が酸化状態になると、病気になりやすい状態になっているとも言えるのです。

心への影響

体が酸化すると、心への影響も心配されます。
近年の研究では心の健康と酸化の関連が明らかになってきており、
脳内の活性酸素は神経細胞を傷つけることで、認知機能の低下や情緒の不安定さを引き起こすとされています。

体の中でも脳は酸素との結びつきが強く、酸素を多く消費するため、活性酸素の影響を受けやすいとも言えます。
活性酸素が過剰に作られ過ぎてしまうと、脳を通してうつ病などの精神疾患へのリスクも高まってしまうのです。

まとめ

酸化は避けられないもので、軽くとらえてしまいがちですが、
私たちの肌や体はもちろん、心にまで影響を与えてしまうのです。

加齢によって抗酸化力が低下してしまうことは仕方がないことなので、
抗酸化力を高めてうまく酸化に対処していく方法を知ることが大切です。

次回は、酸化対策について解説します。
日々の小さな心がけでできることもあるので、無理のない範囲でできることから始めてみましょう。