5月の不調をやさしくケア。心と体を整える方法

不調の女性

5月は、春から夏へと移り変わる季節です。
この時期は、気温差が大きく、また湿度や気圧の変動も激しくなります。

東洋医学では、5月は五臓の「肝(かん)」から「心(しん)」へと負担が多くなる時期で、
体内のバランスが乱れやすくなると考えられています。

「肝」は全身の気(エネルギー)をめぐらせ、精神を安定させ、
「心」は全身の血液を巡らせ精神や意識を安定させる働きがあります。

この時期を健やかに過ごすためには、体と心の両方を大切にし、
無理をせず自然のリズムに合わせることが大切です。

5月は「がんばりすぎず、ほどほどに動く」ことを意識していきましょう。

5月に起きやすい不調

5月は、気温や湿度の変化が大きく、体調を崩しやすい時期です。

この季節に起きやすい不調は、体が重だるく、手足や顔のむくみを感じやすくなったりすることがあります。
また、胃腸の働きが乱れやすくなるため、食欲が落ちたり、消化不良を起こすこともあります。
疲れやすい、朝起きてもスッキリしないといった、なんとなく不調を感じる人も多くなる時期です。

さらに、進学や就職、環境の変化にともなうストレスも重なりやすい時期です。
これらが引き金となって自律神経のバランスが乱れ、イライラしたり、不安感が強くなったり、気分の浮き沈みを感じやすくなることもあります。いわゆる「五月病」と呼ばれる状態も、こうした心身のバランスの乱れから生まれるものです。

体と心を大切にし、無理せず整えていくことが、5月を心地よく過ごすための大切なポイントといえるでしょう。

春から夏への不調に対する薬膳の考え方

漢方

こうした5月特有の不調に対して、薬膳では
気(き)の巡りをよくし、湿(しつ)を外に出し、胃腸の働きを整えることが大切だと考えます。
気温や湿度の変化によって体内に余分な水分がたまると、だるさやむくみが起こりやすくなります。
また、胃腸が弱ると、食欲不振やエネルギー不足にもつながります。

薬膳では、こうした不調を予防・改善するために、
消化を助ける食材や、体内の湿気を取り除く食材を積極的に取り入れます。

さらに、心身の緊張をゆるめ、気の巡りをよくする香りのよい食材も、5月を健やかに過ごすために欠かせないと考えています。

春から夏へと切り替わる時期におすすめ食材と理由

春の食材スープの材料

5月を健やかに過ごすためには、季節に合った食材を上手に取り入れることが大切です。
ここでは、特におすすめの食材とその理由をご紹介します。

<春から夏へ切り替わる時期におすすめの食材>

✔︎はと麦:体内にたまりやすい湿気を取り、体のだるさやむくみ対策に役立つだけでなく、美肌効果も期待できる食材です。

✔︎そら豆:胃腸を元気に整え、エネルギー(気)を補ってくれます。
春から初夏にかけて旬を迎えるそら豆は、弱った胃腸をサポートしながら、疲労回復にも役立ちます。

✔︎じゃがいも:胃腸の働きを助けてくれます。
じゃがいもは、消化吸収を助け、エネルギー源にもなるため、食欲が落ちやすい5月にぴったりです。

✔︎レモン:気の巡りをスムーズにし、リフレッシュ効果をもたらしてくれます。
爽やかな香りと酸味が心と体を目覚めさせ、ストレスを和らげてくれます。

✔︎三つ葉:香りの力で気の巡りを促してくれます。
三つ葉の清涼感のある香りは、滞りがちな気の流れや、高ぶった神経を整えてくれます。

これらの食材を普段の食事に無理なく取り入れることで、5月特有の不調をやさしくケアすることができます。

春から初夏の体をサポート「はと麦入り野菜スープ」の作り方

春から初夏の時期の体をやさしく整える一品としておすすめなのが、はと麦入り春野菜スープです。
はと麦が余分な湿気を取り除き、旬の春野菜が胃腸にやさしく働きかけ、体の巡りを整えてくれます。

はとむぎのスープ

はと麦入り春野菜スープ

【材料(2〜3人分)】
・はと麦(乾燥)…30g
・キャベツ…2枚
・じゃがいも…1個
・にんじん…1/2本
・玉ねぎ…1/2個
・水…500ml
・コンソメ1個
・塩・こしょう
・オリーブオイル

【作り方】
1、はと麦はたっぷりの水に30分〜1時間浸けたあと、さっと下茹でしておきます。
2、キャベツは千切りにし、じゃがいもとにんじんは一口大に、玉ねぎは薄切りにします。
3、鍋にオリーブオイルを熱し、玉ねぎを炒め、香りが出たら他の野菜を加えて軽く炒めます。
4、次に、水とはと麦を加え、中火で煮ます。
5、野菜がやわらかくなったら、コンソメを加えてさらに5分ほど煮込み、塩・こしょうで味をととのえます。

心と体を軽くする、5月の過ごし方

5月は、春から夏への季節の移り変わりとともに、気温差や湿度、気圧の変動が大きくなる時期です。
また、進学や就職、異動など、環境の変化によるストレスも重なるため、心身に不調があらわれやすい時期です。そんなときこそ、無理をせず、少しずつ体調を整えていくことが大切です。

まずは、
毎日の食事に旬の食材をとりいれていきましょう。
また、十分な睡眠をとり、リラックスできる時間を持ったりすることも、心と体の回復を助けてくれます。

この時期は「がんばる」よりも「無理をしない」という意識を持って、心も体も軽やかに過ごしましょう。