<漢方と美肌>夏は体の冷えや汗のかきすぎに注意。漢方の考えによる肌トラブルが起きる理由と解消方法。

鏡の前でスキンケアする女性


夏は、肌の乾燥やにきび、肌荒れなどに悩む人が増えます。
これらの肌トラブルが起きる原因は、毎日の過ごし方に問題があるのかもしれません。

夏の強い紫外線をあびたり、汗を大量にかくと、肌に影響を与えます。
いつまでも、健康で美しくいるためには、何ができるかを考えてみましょう。

今回は、夏トラブルが起きる原因や若々しい肌をたもつためのケア方法にについて紹介をします。

肌トラブルが起きる原因

漢方では肌トラブルが起きる原因は、体の中の水分や栄養が不足していると考えます。
特に、気(エネルギー)の不足は、体全体に影響を与えるため、肌荒れや老化をまねくこともあります。
しかし、自分はどんな体質でどんなケアが必要なのかわからないといった方も多いでしょう。

漢方では、気血水診断といい体の不調を調べる方法があります。
自分の体質やケア方法を知ることによって、体全体の体調を整えることができます。
気血水診断には、5つの体質があります。
肌トラブルに関係する体質は次のようなものがあります。

 ✔︎気滞(きたい)にきびができる・イライラする。体に熱がこもっています。

 ✔︎瘀血(おけつ)シミやアザができる・目の下にくまがあらわれる。体の中の血のめぐりが悪くなっています。

 ✔︎血虚(けっきょ)乾燥肌になる、爪が薄くてもろい。体の中の血(栄養)が不足しています。

この3つの体質ではどれが当てはまるでしょうか?
この他にも自分の舌で体調をチェックする方法があります。

自分の体質を調べるには舌でチェックを

自分の体質を知るためには、舌で調べる方法もあります。
舌は内臓の鏡といわれており、体の状態を知るバロメーターとなります。
まずは、自分の舌をチェックしてみましょう。

◾️正常な舌
淡紅色で白舌苔がついている状態です。

◾️赤みが薄い舌
気や血など体の栄養が不足しているため、肌が乾燥したり・肌のはりがなくなります。
このタイプの人は、気血を補う食材を食べましょう。
→山芋・人参・牛肉などがおすすめです。

◾️赤みが強い舌
体に余分な熱がこもり、水分が不足しているため、にきびや肌荒れなどが起こります。
このタイプの人は、体の熱を冷ます食材を食べましょう。
→きゅうり・トマト・豆腐などがおすすめです。

◾️紫色の舌
体の血行が悪く冷えているため、シミやアザが出やすくなります。
このタイプの人は、血行をよくする食材を食べましょう。
→たまねぎ・しょうが・お酢などがおすすめです。

◾️はれぼったい舌
体の中に余分な水分がたまっているため、
水疱ができたり、湿疹が出るとじゅくじゅくする場合があります。
このタイプの人は、余分な水分を体の外に出す食材を食べましょう。
小→豆・とうもろこし・はとむぎなどがおすすめです。

老化が起きる原因

漢方


肌の老化は、漢方で考える五臓の「腎」が関係しています。
腎は人間が生きていくために必要なエネルギーで、年齢を重ねるに従って徐々に衰えていきます。
特に、40代を過ぎてから肌の老化や体の疲れを感じやすくなった方は腎の衰えが考えられます。

腎の不調にも大きく分けて、2つのタイプがあります。
「腎陽」(じんよう)「腎陰」(じんいん)です。
腎陽:体を温める力が弱っており血液の流れが悪くなるため、シミやアザの原因になります。
腎陰:体の水分が少なくなっているので、肌が乾燥したり、ほてったりします。

老化を防ぐためには、季節に合わせた養生が必要です。
特に夏は汗をかきやすいので、かきすぎに注意しましょう。
また、夏はクーラーの部屋で長い時間過ごしたり、冷たいものを摂る頻度が多い方は、体が冷えています。
体の冷えは老化につながるので注意しましょう。

漢方による若々しい肌を保つための夏のケア方法

いつまでも若々しく、元気でいるためには、体の中からケアすることが大切です。
体調を整えるためには次の方法を試してみましょう。

1、酸味と甘味を組み合わせた食材をとる

漢方では、酸味と甘味を組み合わせた食材は体を潤すと考えています。
これを「酸甘化陰(さんかんかいん)」といいます。

ごはんと梅干し、レモンとはちみつといった組み合わせがあります。
また、なし・すいか・桃などの果物もおすすめです。
特に桃は体を温める作用があるので、体の冷えが気になる方におすすめします。

2、水分はこまめに摂る

夏は大量の汗をかくため、いつもよりも水分を多めにとる方が多いでしょう。
しかし、一度に水分を大量にとると、胃腸の負担になり消化吸収を低下させる原因となります。

体の水分を補うためには、こまめな水分摂取が必要です。
夏は、できれば30分ごとなど、飲む時間や量を決めておくといいでしょう。

3、湯船に浸かる

夏は暑いからといってシャワーで済ませていませんか?
体の疲れをとるために、お風呂に入り湯船に浸かることをおすすめします。

熱すぎるお湯は肌を乾燥させる原因になります。
ぬるめのお湯にゆっくり入りましょう。

また、体をゴシゴシ洗うと肌に負担がかかります。
肌トラブルがある方は優しく洗いましょう。

お風呂での注意点は、お風呂からあがったらすぐに保湿することです。
お風呂上がりは肌が乾燥しやすいため、化粧水やクリームなどで保湿しましょう。

肌トラブルが気になる方は、毎日の過ごし方に注意

夏に起こりやすい肌の乾燥やにきびなどは、日頃の食生活と関係している場合があります。
自分の体質に合わせた食事を意識しましょう。
体質は、症状だけでなく、舌の状態でもチェックできます。
まずは、毎日自分の舌をチェックしてみましょう。
体調の変化がわかるようになります。