<サステイナビリティ>化粧品とも関係が深い!知っておきたいマイクロプラスチック問題
マイクロプラスチックという言葉、皆さんも一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
SDGsへの関心の高まりもあり、注目されつつあるマイクロプラスチック問題ですが、
実は化粧品とも深い関係があるのです。
サステイナブルであることを常に意識しているブルークレールオーガニクスは、
マイクロプラスチックを使用せず、環境にも人にも優しい製品づくりにこだわっています。
皆さんが毎日使う化粧品。これからも地球の未来のことを考えて選んでいきたいですよね。
今回は、マイクロプラスチック問題に焦点を当てて、
マイクロプラスチックと化粧品の関係や、マイクロプラスチックが与える影響について解説します。
目次
マイクロプラスチックとは?
マイクロプラスチックとは、「5㎜以下のプラスチック粒子」のことを指します。
人工的につくられたプラスチックは自然界では分解されず半永久的に残ってしまうため、さまざまな被害をもたらしてしまいます。
ここでは、マイクロプラスチックについての理解を深めていただくために、
種類と化粧品との関係について解説します。
大きく2種類に分かれる
マイクロプラスチックは、生産段階でできる「一次的マイクロプラスチック」と
自然原因でできる「二次的マイクロプラスチック」に分かれます。
<一次的マイクロプラスチック>
小さく加工されたプラスチックのことで、マイクロビーズとも呼ばれます。
プラスチック製品を製造するために使われたり、洗顔料や歯磨き粉に含まれるスクラブ剤としても使われます。
<二次的マイクロプラスチック>
発泡スチロールやペットボトル、レジ袋などのプラスチック製品が時間の経過とともに劣化し小さな破片となったものを指します。
代表的な例として、ゴミとして海に流れたレジ袋が、紫外線や雨風、波にさらされることで
徐々に細分化されマイクロプラスチックとなることが挙げられます。
実は化粧品に含まれていることも
化粧品とプラスチックの関係というと、容器や包装材のことをイメージする方が多いかもしれません。
容器や包装材に使われるプラスチック量を削減することもとても大切ですが、見逃されがちなのがマイクロプラスチック。
先ほど説明したように、化粧品には原料として一次的マイクロプラスチックが含まれているものもあるのです。
スクラブ剤以外にも、ナイロン、シリコン、ポリウレタンなどがあり、
化粧品に使われているマイクロプラスチックはおよそ500種類とも言われています。
イメージしやすいものでは、マスカラの繊維などがありますが、
その他にも、マイクロプラスチック原料には伸びをよくする効果や光拡散効果があるため、
ベースメイク商品や日焼け止めにもよく使われています。
マイクロプラスチックが与える影響
分解されず半永久的に残ると言われているマイクロプラスチックですが、
自然界や私たちにどのような影響を与えるのでしょうか。
環境への影響、海洋生物への影響、人体への影響という3つの視点で解説します。
①環境への影響
ゴミとして海に流れ着いたマイクロプラスチックは、回収が難しいうえ、分解されないため、
どんどんと蓄積され海洋汚染の原因となります。
また、プラスチックの表面には細かな凹凸があり、有害な化学物質を吸着しやすい性質を持っています。
マイクロプラスチックが海洋を漂い、移動することで、化学物質が海全体に広がり、海洋汚染が進んでしまうのです。
②海洋生物への影響
海洋生物はマイクロプラスチックをエサと間違えて食べてしまうことがあります。
すると、マイクロプラスチックが体内に蓄積されて内臓が詰まったり、
消化器系の障害を引き起こしたりと、海洋生物の生命を脅かす事態になるのです。
また、マイクロプラスチックに吸着していた化学物質も海洋生物の体内に蓄積されていきます。
マイクロプラスチックを食べた小魚を中型の魚が、中型の魚を大型の魚が食べるというように、
食物連鎖を通じて海洋生物全体に広がっていくことも懸念されます。
③人体への影響
マイクロプラスチックによる影響は、私たち人間の体にも及んでいます。
例えば、流しきれなかった歯磨き粉のスクラブ剤が歯の間や口内の隙間に蓄積されると、
口腔内を傷つけてしまうこともあります。
また、マイクロプラスチックを食べた魚を私たちが食べることも考えられます。
海洋生物と同様に、人間の体もマイクロプラスチックが蓄積されることで、消化器官などが傷ついたり、機能が弱まったりするのです。
マイクロプラスチックへの対策と規制
環境や人間にさまざまな影響を与えるマイクロプラスチック。
マイクロプラスチック問題は、日本に限ったことではなく、世界中で課題となっています。
世界の国々では、どのような対策が行われているのでしょうか。
ここでは、マイクロプラスチック問題にいち早く取り組んでいる欧州の国々の対策と、日本の対策を紹介します。
欧州の現状
欧州の国々は、世界各国に先駆けて、いち早くマイクロプラスチックの規制に乗り出しました。
オランダ・オーストリア・スウェーデン・ベルギーの4か国は、
2014年に「化粧品のマイクロビーズを含むマイクロプラスチック使用を禁止する」
といった共同声明を出しています。
中でも、オランダは、2016年までにマイクロプラスチックの流通・製造・販売を禁止し、
本格的な規制に乗り出した最初の国とされています。
2023年には、欧州委員会が、マイクロプラスチックの販売や、使用時に
マイクロプラスチックを放出する製品の販売を禁止する規則を採択しました。
これにより、マイクロプラスチックを添加した製品のEU域内での販売が禁止されることとなり、
マイクロプラスチックを放出しないという強い意思表示と言えます。
日本の現状
日本では、マイクロプラスチックの使用や販売を禁止する法律はなく、罰則もありません。
取り組みの例としては、
2016年に日本化粧品工業連合会が会員企業に向けて、マイクロプラスチックの自主規制を呼び掛けました。
これにより、化粧品大手企業を中心に、マイクロプラスチックを代替素材に変更するなどの対策が進みました。
現状はまだ、各企業の努力に頼っている状況ですが、
SDGsへの注目の高まりを追い風に何らかの規制が検討されるかもしれません。